プロゲステロンと乳腺
乳房の痛みやしこりの大半は、良性なものです。「乳腺症」と呼ばれ、ホルモンバランスの乱れから起こる現象です。
女性ホルモンには、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があります。
この2つのホルモンがバランス良く分泌されることで、女性の機能を正常に保っています。女性ホルモンについて詳しくはこちらの記事に書いています⇒
胸が大きくなる仕組み
ところが、ストレスや加齢などが原因で、エストロゲンが分泌されるべき時期に分泌されず、プロゲステロンが多く分泌されてしまうことがあります。
プロゲステロンは、乳腺を発達させる働きがあります。
乳腺の中にある血管を拡張させたり、乳腺組織を一時的に増やしたりするため、胸が張るなどの症状が起こります。
生理前には正常なことですが、これが続くのは、ストレスや不規則な生活、過度なダイエット、加齢などが原因となっています。
乳腺疾患の場合も
乳痛を感じる場合、どのように対応していますか?
10代の頃から生理前などに胸の張りや痛みはあり、なんとなく慣れてしまっていませんか?
私も、気になりながらも、なんとなく放置していました。
でも、胸の張りや痛みが、単にホルモンのバランスによるものだけとは限りません。
治療や手術が必要となる、線維腺腫や乳腺炎、乳管内乳頭腫などの危険性もあります。
乳痛が長く続いたり、片側だけ痛んだりなどの症状が気になる時は、すぐに医療機関で受診することをおすすめします。
特に、私たち更年期世代は、乳がんなどの心配もあります。痛みを感じる時に、一度、受診しておくと安心です。
自治体やご加入の保険組合によっては、乳がん検診の補助が出たり、または無料で受けられたりします。一度、ご確認ください。
乳痛の予防
では、乳痛にならないようにするには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。
まず、プロゲステロンの過剰分泌や、長期分泌によりおこる乳痛は、ホルモンのバランスを整え、エストロゲンの減少をふせぐことが必要です。
女性ホルモンのバランスを整えるには
睡眠不足が続いたり、疲労が蓄積することで、ホルモンのバランスは乱れやすくなります。規則正しい睡眠時間を心がけましょう。
また、しっかりと休息を取ることも大切です。
肉中心の食事やジャンクフードが続き、脂肪分を多く摂取すると、乳腺が詰まりやすくなり、乳痛を悪化させてしまいます。
特に更年期に入り、不快な症状を感じるようになったら、食生活を見直して健康的な食事をとるようにしたいですね。
カフェインは血管拡張作用があるそうです。
乳痛が気になる時は、コーヒーや緑茶は控え、ノンカフェインの麦茶やハーブティーなどを飲むといいですね。
イソフラボンなどの摂取
更年期になり、エストロゲンが減少すると、乳痛を引き起こすプロゲステロンが多く分泌してしまいます。
エストロゲンをなるべく減少させないということが、乳痛の予防には大切になります。
エストロゲンの分泌を促す食べ物を多くとりましょう。
大豆や豆類は、エストロゲンの分泌をうながすイソフラボンが豊富です。
エストロゲンの分泌を促してくれるので、乳痛の原因となるプロゲステロンを抑制する効果も期待できます。
とはいえ、いきなり食生活を変えるのは大変かもしれません。
そのような場合、サプリメントなどの補助食品も検討してみてください。